Dr.'s Prime Work 導入事例

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ドクターズプライム導入事例

次世代救急病院における質重視の医師採用 − ふじみの救急病院

ふじみの救急病院(取材当時は「ふじみの救急クリニック」)は、埼玉県ふじみ野市を中心に、救急科・脳神経外科診療を行っているクリニックです。2018年11月に脳神経外科をリニューアルし、「ふじみの救急クリニック」として新しいスタートを切りました。現在は、脳外科診療や生活習慣病管理などに加え、24時間・365日オープンの救急外来で、重症の救急車受け入れから夜間・休日のコンビニ受診までどんな症状にも対応しています。

「すべては患者さんのために」という理念のもと、地域の皆様に安心を届けるため、自院で高規格救急車を保有し行政の救急隊と同等の能力を持つ民間救急隊を併設するなど、先進的な取り組みを続けています。

今回は、この次世代救急クリニックを開業し、理事長・院長を務める鹿野晃先生に弊社代表取締役の田がお話を伺いました。

:2018年11月に脳神経外科をリニューアルして救急クリニックを立ち上げられたとのことですが、救急クリニック設立の背景について教えて頂けますでしょうか?

院長先生(以下院長):当院はもともと脳神経外科を診療していたクリニックを継承し、救急科を併設する形で開業しました。

:なるほど。既に地域で診療実績のある脳神経外科をベースにすればCTやMRIなど救急クリニックで必要な設備が揃っていますし患者さんもある程度ついているので初期投資が抑えられリスクも低くなりますね。なぜ救急クリニックを設立しようと考えたのか教えていただけますか?

院長:私はもともと東京の西多摩にある救命センターで救急医をやっておりました。

基本的に東京は重症患者を直近の救命センターに送るというルールがあります。西多摩だと救命センターが自分のところしかありませんから、奥多摩など遠いところだと1時間近くかけて搬送されます。ご存知の通り心肺停止の方ですと1分1秒を争いますので、病着時にはもう助からないというケースが少なくありませんでした。

そこで、近場の救急クリニックで初療を行い、心拍を再開させて、その後の管理は救命センターでお願いする、そういう構造を作って日本の救命率を上げたいという思いがありました。脳梗塞に対するt-PA(血栓溶解)療法に関しても同様で早ければ早いほど麻痺を残さず良い結果が得られます。

:なるほど、私も救急医療の現場にいたのでお気持ちがよくわかります。救急受け入れ病院は多いと思いますが、救急受け入れクリニックは少ないですよね?

院長:救命センターを併設するような大きな病院を各地に作るのはお金もかかりますし現実的ではないので個人でも開業できるような救急クリニックが隙間を埋められれば良いと思いました。また、救急搬送数も増え続けて、たらい回しや本当に必要な人に間に合わないなど色々な問題が起きています。救急車の適正利用も叫ばれていますが、これ以上、税金で行政の救急隊を増やして全てに対応するのは限界にきているのではと考えました。

そこで当院では救急車を自前で用意し、転院搬送はもちろん、個人宅や施設へのお迎えに出動したりしております。病院選定の必要がないので病着までの時間が短縮され予後改善効果も期待できます。

:所有されている救急車は自院にしか運ばないのでしょうか?

院長:そういうわけではないですね。うちは行政の救急隊と違って12誘導心電図や車内とクリニックを結ぶTV電話も積んでいます。さらには救命士だけではなく看護師同乗で行くことが多いので、場合によっては行政の救急隊以上のことができます。例えば胸痛の患者さんにその場で心電図をとり、私が遠隔で診断し、必要があれば循環器内科のある病院へ直接運ぶように指示をします。

厚労省や総務省の指導の下、民間MCドクターの研修も受けて救急隊の活動基準やプロトコール、研修プログラムの作成も行い挿管や薬剤投与などの特定行為も可能です。重症例には医師も乗ってドクターカーとしても運用しています。

ドクターズプライムの案件では行政の救急車だけではなく当院の救急車で搬送された場合にもインセンティブをつけるようにしています。

:ドクターが一緒に行くと意思決定がスムーズでいいですね。新しい救急医療、より地域に根ざした救急医療だと感じます。

院長:そうですね。在宅クリニックとも連携して訪問看護師から状態が悪いと報告されてすぐ迎えに行くこともできます。個人宅まで出動して搬送するという完全に行政の救急隊と同じことをやっている民間救急隊はここが日本初だと思います。

:クリニックのオープンは具体的にはどのような点が大変でしたか?

院長:かかりつけの患者さんには何かあったら夜でも気軽に来てください、もし動けなければお迎えに伺いますと伝えていますし、救急クリニックは24時間診療が原則になると思っています。そのためには何といってもスタッフ、特に医師の確保が大変でした。

院長が昼も夜も泊まり込んでいては疲弊して患者サービスも低下しますし、長時間勤務は医療ミスにもつながります。そこで基本平日の日勤は私が担当し、できれば夜間と土日は休みをいただこうと思いました。

知り合いや昔指導した研修医にも声をかけましたけど、それだけではシフトが埋まりませんでした。他社の医師採用サービスにも登録しましたが反応が薄いし、いくつか応募があっても医師の質にばらつきが大きかったです。

鹿野晃院長

:医師の質はやはり譲れないポイントでしたか?

院長:ですね。個人クリニックは患者さんが離れてしまうと困ります。スキルだけでなくコミュニケーション能力も必須です。当初は5年目以降の先生が良いと思っていましたが、ドクターズプライムだと3年目の先生でも危機管理意識があって、危ないと思ったケースをうまくマネージメントできる先生が多いように思います。

:その判断は重要ですよね。

院長:それが出来る先生が3年目くらいでもいるのは驚きでした。15年目でもできない人はできないですから。

:そうですよね。個人のモチベーションですとか、どこで初期研修を受けているかが特に重要になってくると思います。

院長:他社で採用すると今回限りだなという先生が7、8割方なんですが、ドクターズプライムではそういうことがほとんどありません。それに毎回、勤務毎にアンケートを出すので、最初だけよくて後で問題が起きるという事態が少ないです。全体的な医師のレベルがきちんと評価・管理されていて安心感があります。やっぱりそこが他と大きく違うところですね。

:ありがとうございます。勤務毎のアンケートで医師評価ができるので、送る先生の質もより上がってくると思います。ドクターズプライムを導入後、救急車の断りは減りましたか?

院長:今のところ日勤帯は10割、夜間・休日でも9割くらい受けています。救急車の受け入れ台数や断った台数とその理由などを日誌に書いて貰っています。中には「急性腹症かもしれなかったので断った」というケースもありますが、まず診察と検査をして本当に急性腹症だったら転送してくださいとコメントを書いたこともあります。「かもしれない」って言ったら全部断れちゃいますよね。

:リスクとハザードをはき違えている先生って多いのですよね。リスクはその物事が起こる可能性で、ハザードは起こったときの危険度なのですけれど、医師はハザードに注目して断る。例えば、可能性はすごく低いけど脳梗塞かもしれないと断ったりする。断れる理由を残さない、その大義名分を与えないことは大切ですよね。日誌は医師にプレッシャー感を与えられるという意味ですごく良いと思います。

院長: それと、救急隊とのやり取りで困るのが、医師が「応急処置しかできませんけど」などと余計な一言を言ってしまうことです。

:僕らのところでもたまにいますね。「断らないですよ、ただ僕専門外ですけどいいですか?」って聞いてしまう先生。断ってはいないけどもそれは暗に断らせている。こういったケースは本当になくしたいです。このインタビューを機に世の中に発信したいです。

院長:あれを断らない救急って言ったらダメですね。

:そうですよね。僕はそういう事例も不当な断りと換算したいです。もっとシステマ ティックにやっていくのがいいと思っています。そうするともっと断りづらくなっていきますから。もっと利用される医療機関側からのご意見を組みとっていきたいですね。

院長:アンケートは勤務された先生にフィードバックとして伝えられるのですか?

:記載方法を工夫しながら、オブラートに包んでお伝えしています。

院長:そうなのですね。これだけ取り組まれているので、他社と比べて質はダントツに高くて安心しています。

鹿野院長(写真右)、代表取締役田(写真左)

:医師の質以外にも救急クリニックの立ち上げということで「安定した医師の採用」も必要だったと思います。このような医師採用サービスで医師を募集しても応募が継続的に入らない、などの不安はありませんでしたか?

院長:当初は半分埋まればいいなと予想していましたが、現状ほとんど埋まっています。土日とか平日の夜間は全部埋まりました。月の半分はドクターズプライムの力で、残り半分が知人や地域の病院からの派遣などです。

:毎月約80%の応募率ですが、応募が多い秘訣があれば教えてください。

院長:池袋から30分と比較的都心からアクセスしやすい立地とドクターズプライムとの事前の打ち合わせで適正な給与を設定できたのが大きいのではと思っています。

:普通の二次救急病院ではできない経験があるのは大きいと思いますか?

院長:そうですね。3次と他の1次・2次救急が分かれている救命センターに勤務されている先生だと普通のwalkinの患者さんはあまり診たことがない場合もありますが、当院ではそういった患者さんもたくさん来られます。

子供の内科や外科を診る機会も多いので勉強になると思います。体重別・症状別の薬のセットも用意していますし、先生方には診察して対応しきれないケースは無理せず小児科診療が強い近くの病院に送っていいとお伝えしています。

また、うちの救急クリニックは生活習慣病の患者さんにも力を入れています。そのあたりも救急医は弱いので良い経験になると思います。今後、訪問診療、在宅医療やリハビリも始めて地域医療の勉強もできるようにする予定です。意欲ある色んな先生にきて欲しいですね。

:非常勤から常勤での採用になった先生がいらっしゃいますよね。その経緯を教えてください。 

院長:非常勤採用時に患者さんへの接し方や診療能力など、スタッフからの評判が良かったのでお願いしました。たまたまどこにも常勤で所属しないで色んな病院でアルバイトをされつつ、常勤先を探している状況だったこともあり採用に至りました。脳外科1診に加え救急科2診の計3診体制になり非常に助かっております。

:やはりスポット勤務をされてからの常勤採用だと、医師の人柄やスキルを知っているということで、採用に対する安心感がありましたか?

院長:常勤採用した先生が救急車を断ってばかりだと困りますしね。

:常勤採用の話を持ちかけた時は先生にすぐ検討してもらえましたか?

院長:全力で口説きました(笑)。

:実際給料が高い分コストがかさむと思いますが、それに見合った費用対効果はありますか?

院長:きちんとした医師が対応することで行政や当院の救急隊による搬送数やWALKINの患者さんは着実に増えてきています。まもなく入院ができるようになる見込みですので医師は病棟の急変にも対応頂くことになります。十分な費用対効果が見込めると考えています。

:費用対効果は良くなってくる目算なのですね?

院長:そうですね。ドクターズプライム導入でまず私の負担が減りました。プレイヤーとしての仕事が減った分、マネージメントに力を注ぐことができています。もちろん1番良いのはコミュニケーション能力も高くスキルも豊富にある常勤の先生で夜勤も固めることです。ですが、今後常勤の先生が増えたとしても、なるべく負担をかけずに昼間一生懸命やって貰って、夜は非常勤の先生にお願いするのもありかなと思っています。非常勤の先生には看護師からも当院の断らない救急やコンビニ受診推奨といった理念を分かって頂けるように伝えて貰っています。また、見落とし防止や患者満足度の観点からも最低限の検査を提案して貰うようにしています。

:看護師や医師が同じ目的に向かっているところがいいですね。ビジョンを描いている先生ってなかなか他のクリニックではいらっしゃらないです。今を維持するだけで、理念みたいなものを持つ余裕がなかなかないですね。

院長:クリニックが大きくなりやれることが多くなっていくと、患者さんにも良い医療が提供できると思っています。

:僕らも会社としてすごく応援したいクリニックです。僕は、給与を目的に医師が応募する現状は本質的に良くないと思っています。本当は働きがいがあるところで働いて欲しいのです。病院の持つビジョンに共感して応募する、そういう採用を医療業界にも起こしたい。

院長:当直がいなくて困っているから募集してその穴を埋めるだけっていうのはもったいないですよね。勤務医の先生には大きなビジョンを共有しつつ、基本週40時間勤務とかで割とお給料も多めにして、なるべく家族との時間も大切にして欲しいです。当直はそれこそ非常勤でお願いして、きちんとワークライフバランスが取れればQOLもあがります。

:すごくいい仕組み化ができそうですね。

院長:もちろん非常勤の先生には当直でお金を貰ってという側面もありますけど、それだけではなく勉強や経験も積め、病院の理念と労働者の需要を両立できるような、おたがいwin-winな関係でやりたいですね。こういうビジョンのクリニックで常勤希望の先生がおられましたら是非一緒に汗をかきたいです。

:日本初の民間救急隊併設型の救急クリニックに大いに期待しています。

院長:はい。是非今後とも宜しくお願い致します。

今回はふじみの救急クリニック、鹿野様にご協力いただきました。

koyu-kai.jp    ふじみの救急クリニック様のように

  • 高い採用決定率で、安定した医師の確保をしたい
  • 地域住民のため、医師の質(スキル・コミュニケーション能力)を確実に担保したい

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