Dr.'s Prime Work 導入事例

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ドクターズプライム導入事例

高齢化する地方病院のパフォーマンス向上に「救急を断らない医師」を採用し、救急応需率が倍に - かしま病院

かしま病院は、福島県いわき市にて193床の2次救急病院として、地域のポストアキュート、サブアキュート症例に対し、急性期機能から回復期機能、更には在宅復帰に向けた介護サービスを提供している医療機関です。 今回は、中山先生、中村事務長、医療秘書課 吉川様に、かしま病院における弊社サービスの活用方法、活用にあたって感じたハードルなどのお話をざっくばらんにお伺いいたしました。

Dr.'s Prime導入の背景

山田:本日はインタビューよろしくお願いします!

中山理事長(以下中山):よろしくお願いします。

山田:まずは弊社サービスを導入するに至った背景をお伺いしたいのですが、どのような課題感を背景として弊社サービスを導入してくださったのでしょうか?

中山:救急収容症例の約半数を私自身が担当しているような状況だったのですが、段々体力の衰えなどを感じ始めていました。院内全体も若い医師がどんどん入ってくる環境でもないので、患者様から求められている内容に対して院内のパフォーマンスが維持できなくなっていました。そんななかSNSでドクターズプライムの広告を見つけて、ご相談させていただきました。

山田:たしかにいわき市は高齢化率の高い地域と聞きますよね。地域的にも救急の受け入れに時間がかかってしまうという課題があったのではないかと思うのですが、そのような問題意識もあったのでしょうか?

中山:はい。我々の救急部門はサブアキュート症例(在宅・介護施設・サ高住等の患者の病態悪化)への対応が地域内での役割だと思っているので、そこをしっかりと担保していこうと思っていました。ドクターズプライムの先生方の初回勤務の際には我々のやるべきことをお伝えしています。 3次救急は本当に時間を争うような方が多いですが、例えば、介護施設で発熱をした誤嚥性肺炎の方が3次救急に送られても断られてしまうこともあります。そういった中で救急の意味をしっかりと理解し、サブアキュートの患者様をしっかりと受け入れるのが私たちの役目だと思っています。

Dr.'s Prime導入の効果

山田:ドクターズプライムを導入し、感じていらっしゃる効果はどのようなものがありますか?

中山:応需率が倍以上に上がっています。以前は電話ですぐに断っていたものを「まずは取る」姿勢に変わりました。かつての応需率は50%を下回っていたのですが、今では60-70%以上になりました。一方、ここ3年はコロナ禍ということもあり救急要請件数は下がっているのですが、それでも応需率はしっかりキープしているので入院数も増加しています。 また、ドクターズプライムの医師は救急を専門に対応している先生も多くいらっしゃいます。彼らの初療での対応方法を電子カルテ上で学べるので、こういうトレンドがあるのか、などといった発見があり非常に大きな学びになっています。遅番で当院の専攻医の先生がいて、そこに当直のドクターズプライムの救急医の医師が来られたような時に疑問点を聞ける体制があるということが、当院の常勤医にとって勉強の機会にもなっています。

山田:ありがとうございます。それは大変いい相乗効果が生まれていますね!要請件数が3年間で下がっているというのはやはりコロナ禍の影響が大きいのでしょうか?

中山:コロナ禍に入ってですね。地域の要請件数はコロナウイルスの入院患者は増えたものの、受診辞退というのも発生し、全体的な要請件数は下がっています。ただ、全体的な要請件数が減っても救急を受け入れる応需件数が増えたことで、結果としては応需率が60-70%まで上がっていきました。

サービス導入前の2018年には応需率30%台だったが、現在は平均応需率60-70%まで伸長

山田:ありがとうございます。全体での応需率は上がっているということですね。ドクターズプライムからご紹介している求人は土日が多いと思いますが、これは平日の医師にもいい影響を与えているのですか?それとも土日の先生が受けているため全体の応需率の底上げが起きているという状態なのでしょうか?

中山:やはり圧倒的に土日の要請が多いですね。週末になるとかなり要請件数が上がっていくので、その人員が担保できているのも嬉しいです。ここだけの話、外部から医師を採用している近隣の病院では「週末はあまり入院患者を受け入れないでほしい」という体制のところもあるみたいですが、当院ではDr.'s Primeの医師がどんどん受け入れてくれるので土日の要請件数が増えているのではないかと思います。 特に土日の日中の対応が多く、こちらは常勤医が担当することもあるのですが、Dr.'s Primeの非常勤医師が救急車の受入を断らなくなると、段々と常勤医師も「救急を受け入れるのが当たり前」という空気になってきます。そうなることによって副次的ではありますが、全体的に救急を受け入れやすくなるようないい雰囲気が作られていると思います。

山田:なるほど、そうした空気づくりが底上げにつながっているかもしれないですよね。他院ではコロナ外来対応で救急外来対応のリソースが足りず、そもそも患者を受け入れられないというケースが多いように感じるのですが、かしま病院様はどのような体制を取られていますか?

中山:一昨年の12月から数カ月前までは、常勤医師によるコロナウイルス専用の発熱外来チームを作り、救急と体制を別にしていましたので特段問題はなかったですね。しかしどうしても救急の当番日と重なってしまうときは発熱外来に別の担当を入れて棲み分けをしていました。多い時ではコロナの発熱外来に70-100人ほどの患者様が来ることがありましたね。現在はコロナによる死亡率も低下したということもあり、体制を分けずに何でも受け入れるようになっています。

Dr.'s Prime医師の採用

山田:ドクターズプライムの医師採用の実務を行うにあたって改善点などはありますか?

吉川様(以下敬称略):導入当時は募集方法や採用枠の問題で悩みましたが、採用枠を拡張して幅広く募集をかけられるようになってからは問題はないです。土日もリピーターの医師が入ってくるようになっていて病院のオリジナルルールにも慣れてくださっているので、お互いに働きやすくなったのかなと思います。 医師も勤務時間の変更の相談にも乗ってくださるので有難いと思っています。

山田:ありがとうございます。基本的には吉川様が医師とコミュニケーションをとっているのでしょうか?

吉川:そうですね。初回案内から必ず先生と会ってコミュニケーションを取る体制を取っています。勤務終了後は必ず受入件数の確認とフォローアップを兼ねたメールを送っていて、次回勤務がある場合はその案内や今後の募集告知なども添えています。

山田:それはとてもいいですね。吉川さんが地道にコミュニケーションをとってくださっているのが他の病院と差別化できている部分だと思います。

インタビューの様子 左: 中山理事長、右手前: 中村事務長、右奥: 医療秘書課 吉川様

Dr.'s Prime医師の評価

山田:ドクターズプライム医師の評価はいかがでしょうか?

中山:平均水準が高く、自分でしっかりとできる方が多いですね。初回は我々がバックアップにつくこともあるのですが、どの医師もほとんど呼ぶことなく自分ですべて行動してくださっているので、安心しています。 それはドクターズプライム側がセレクションの段階で一定水準の医師を採用してくださっているからだと思うので、そういったセーフティーネットがある点が非常にいいなと感じています。

山田:ありがとうございます。医師に対して不安に感じる場合もあるかと思うのですが、そういったことはありましたか?

中山:内科系ではない比較的年齢の若い医師が来られた時は大丈夫かなと思ったこともあります。ただ実際に勤務していただいたところ、看護師からの評価が良かったため不安もなくなり、段々と様子も見に行かなくなりました。

Dr.'s Prime導入時のハードル

山田:他の病院では、引き継ぎの問題などで外部の医師を採用することにハードルを感じる病院様が多いのですが、導入に向けてその辺りの調整の難しさや課題はありましたか?

中村:うちの理事長が「救急患者をもっと受け入れましょうよ」と常々言っていたのですが、具体的にどうすれば解決できるか分からず伸び悩んでいました。そこでドクターズプライムに出会い、こんなにいいサービスがあるんだ、非常勤でも救急を断らない医師が来るんだと思いました。 元々職種を問わず院内全体で課題感の浸透はあったのですが、どうすればブレイクスルーできるか分からない、そこにピッタリのサービスが見つかったという流れです。

中山:以前から、当直に入る看護師は救急を断ることに対してあまりいい気持ちをしていないことが多く、「この患者さん受け入れてあげればいいのに」と言っていることは聞いていました。ただ救急受入の最終判断は医師なので、受け入れてくれる医師が来てくれるようになったことは非常に大きな意味がありました。 院内調整に関しては、当然入院患者の数も増えていきますから「後で文句を言わない」ということは決めていました。不満を持つ人にも「自分が当直するより楽でしょ」と言えば、反発する人もいなくなりましたね。

山田:なるほどですね。反対する先生もいらっしゃったと思うのですが、その辺りはどのように合意形成をしていったのですか?

中山:上の世代の医師は正直難しいところもありますが、後期研修医など相当数のローテーションの医師がいるので彼らが率先して理解してくれているのが大きかったと思います。 あとは「役割」ですよね。救急と一言で片づければ苦手意識を持つ人もいますが、「我々が見なきゃいけないのは高齢者のサブアキュートである」と言っています。そういう方を手当てしてしっかりと送ってあげる、という意識づけをすることですね。そういった働きかけも受け入れやすい土壌になったかなと思います。

今後の展望

山田:最後に、かしま病院が目指す今後の救急体制であったり実現したいビジョンがあれば、ぜひお伺いできればと思います。

中山:常勤医師の確保は命題ですね。以前は大学からの医局の派遣があったので高齢化もしないように維持できたのですが、研修医制度が崩れてからその体制も難しくなりました。こういった地方病院で常勤医師を採用すると流動性が高くはないので、年齢による体力的な問題も出てきます。そこで、外部から3ヵ月など短期間でもいいので"準常勤医師”のような採用ができると、持続可能性が高くなるかなと思っています。勤務していただいた医師にも、単発で働くことでしっかりとスキルアップにつながるような取り組みを考えている最中です。

上段左から:弊社山田、弊社坂本、 下段左から:中山先生、中村事務長、医療秘書課 吉川様

山田:まさに弊社も医師の次のステップにつながるような実務の"学び”となるサービスが必要だと思い、検討しているところです。ぜひ実現していきたいですね! 本日はありがとうございました!引き続きよろしくお願いいたします。

www.kashima.jp   かしま病院様のように

  • 慢性的な医師不足を非常勤医師の採用によって補いたい
  • 救急応需率の向上によって入院数の担保を図っていきたい

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