Dr.'s Prime Work 導入事例

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ドクターズプライム導入事例

救急体制立て直しの起爆剤に-吉祥寺南病院

吉祥寺南病院は、東京都武蔵野市吉祥寺にて、脳神経外科、内科、外科、消化器科、整形外科、皮膚科、泌尿器科を標榜しています。地域の急性期病院として、24時間365日診療を行うほか、急性期治療とともにリハビリテーションや在宅復帰への支援を多く行っています。

山下先生

今回は、2008年1月より事業継承され院長を務める山下先生と、事務部の渡邉様にドクターズプライム代表医師の田がお話を伺いました。


:ドクターズプライムの導入契機についてお教えください。

渡邉様(以下、敬称略):救急の応需状況が芳しくなかったためです。これまで救急車受入数は平均して年に2000台でした。それが2、3年前から減少していました。減少の原因は近隣の三次救急が救急に力を入れ始めたことも影響していますが、自院の救急機能が地域の期待に応えられていないからだと思っています。

何か手を打ちたかったのですが、横断的に診る救急は専門性の高い先生方にとって難しいという声があり、応需率を含めた状況を改善する起爆剤になるものがないかなと思っていました。

:応需率を改善するために導入いただいたんですね。ありがとうございます。現在は週1回、水曜に利用されていますよね。

渡邉:曜日別の救急台数と要請数をカウントしたところ、東京ルール1を担当する水曜日が最も要請数が多かったので、水曜日で定期利用をしています。当然東京ルールなので、導入前に当直していた先生たちもある程度の要請数を頂いていましたが、導入後は平均の要請が2倍、応需状況としては3倍になりました。精神疾患など病院側の都合でお断りしていただくケースもありますが、医師の不当な断りが発生したことはないです。

:ドクターズプライムの医師の質についてお聞かせください。

院長:ドクターズプライムの医師はみんな優秀なんですよね。

:ありがとうございます。そこは自信を持っておすすめできる点です!

院長:僕は出身が慈恵医大なんですが、同大出身の先生方はすごいですね。当院では救急要請があると、看護師から受入の可否を医師に確認する流れですが、「僕に確認せずに受けてもらっていいですよ」と言ってくださいました。導入当初は受入数が多すぎて、逆に看護師がパンクしてしまうほどに受け入れ意欲がある先生でした。

:ドクターズプライムの医師が勤務する時は看護師さんの体制を増やす病院もあります。病院によっては看護師さんの教育も必要です。なかには救急車を受け入れてほしくないという気持ちがある看護師さんもいると聞きます。 

院長:救急車受入れを確認するときに看護師によってはマイナスな意味合いも込めて「こんな患者さんですが、本当に受け入れていいですか」と聞いてしまう方もいますねね。

:そこも改善していかなければならない点ですよね。パンクした日は何台ぐらい救急受け入れがあったのですか?

院長:十数台位受け入れがありました。

:それは多いですね。導入前2台だった救急受入数が、ドクターズプライムの導入し救急隊へのPRも実施したところ、18台になったケースもあります。

院長:救急受入数は端末の開け方次第でもありますよね。当院の病院は検査科がおらず、夜間輸血ができないのですが、ドクターズプライムの先生方はそういった病院の事情をわかった上で受けてくれます。

:僕らも事前に医師に共有するマニュアルを病院さんと一緒に作成しています。マニュアルには、病院の事情をふまえて適切に受け入れ可否をしていただくよう書くこともあります。

院長:ドクターズプライムはいつ創立されたんですか?

:現在創立3年目で、聖路加国際病院で救急医をしていた経験からサービスを開始しました。登録しているドクターの数も600人を超え増えてきています。評価制度や優秀な人からの紹介によって医師の質を保っています。また、救急車を不当に断ってしまう先生はそのつど利用停止にしています。

院長:契約されている病院はいくつですか?

:全国に60病院です。関東圏が多いですが、新潟県や大阪府の病院とも契約しております。

院長:登録しているドクターは関東以外の先生方もいるのですね。

:全国に口コミで広まっており、ドクターは北海道から沖縄までいます。全国的にアルバイトしたい医師が非常に増えていると思います。

院長:医局に所属する先生もいるんですか?

:医局の先生方はバイトを禁止されていることも多いですが、最近では医局に所属する医師が減ってきているようです。かつては医局に行かないとバイトにありつけませんでしたが、紹介会社が増えてきたことで医局を通さずにバイトができるようになりつつあります。

院長:昔は医局が有無を言わさず知らない病院に医師を派遣しましたが、紹介会社の登場で医師が勤務先の病院をリサーチできるようになりました。医師側が勤務先を取捨選択できますね。

:医師も自由に働きたい世代が増えてきています。病院も医局経由で医師を探していましたが、最近は医局も医師を紹介しきれないことがあります。受けきれない依頼をドクターズプライムに回してくださる医局もあります。

院長:当院も昔は常勤医がほとんどの当直に対応していました。

渡邉:診療報酬改正で救急のウェイトが重くなっていったので、今は院長を中心にこうした救急体制の立て直しを図っています。ただ、近隣病院も救急に力を入れ始めているなかで、年配の常勤の先生方がたくさんの救急車を受け入れるのは難しかったです。

:働き方改革によって常勤の先生は当直ができなくなりつつありますよね。

院長:ドクターズプライムを導入するまでは、私が土日ぶっ続けで働き、そのまま月曜まで勤務していました。こうした土日の間でおおよそ20台ほど救急車を受け入れていましたが、長時間勤務後の日勤はかなり大変になります。  

山下院長(写真左)、田(写真右)

:導入後救急車受け入れ数は増えていますか?

渡邉:ドクターズプライムを使っている日は応需率も要請数も高いです。ドクターズプライムの医師が救急車を受けてくれるから、救急隊からの要請もどんどん来ます。当院では、年に3回ほど数名の研修を市内救急隊から受け入れています。その際、病院の事情や御社のサービスについて救急隊の方にお話ししています。こうした活動を通じ、救急隊も「水曜日はドクターズプライムの医師が勤務している」と認識しています。それが要請数を大きく伸ばした要因かと思っています。

院長:ドクターズプライムの先生方は根本的に対応が早いです。先程も言いましたが、当院では救急要請があると、受け入れの可否を医師に確認します。ドクターズプライムの先生方は「確認なしで受けてくださってかまわない」といったスタンスなので、看護師さん達もやりがいにつながっています。

:救急隊に良い先生が当直していることが伝わると、救急要請数が増えますか?

院長:もともと、救急隊に顔が知れている院長や救急隊の集まりに行かれている先生が当直の日は要請数が多かったですが、ドクターズプライムの医師が担当している時の救急要請数は歴然と違いますね。

:僕らも救急隊へのPRを実施しています。事前にドクターズプライムの医師が当直していることを救急隊に伝えると要請数が増えますね。救急隊にとっても毎回断る先生や嫌々受け入れて待たせるような先生は避けたいというのが本音だと思います。

渡邉:救急隊が担当医師名を見て要請しているのは明らかですね。また、そういった情報共有をLINEなどでやりとりしているようなので、噂はとても広まりやすいと思います。そういう意味でも要請数を増やすうえで、僕らのターゲットは救急隊だと思っています。

:それは間違いありませんね。難しいのは、病院としては救急隊にもっと搬送してくれるように営業をかけたいが、医師は救急要請が来るのを嫌がるというジレンマですね。板挟みになっている救急隊は、運ばない選択をすることも多いと思います。

渡邉:救急隊は応需時間の長さも見ていますよね。受け入れ可否を即答してくれる先生とそうでない先生とでは要請数がはっきりと分かれています。

:判断に時間をかけたうえに要請を断られてしまうと時間が無駄になるので、素早い判断が重要ですよね。

院長:近隣病院との応需率の差について考えると、100%に近いところ、70-90%程度のところ、全く受けていないところ、と3グループくらいにしか分かれていません。当院は曜日によってその差があります。

:全ての曜日に安定的に救急受け入れをしてくれる医師が必要ですね。そのため、徐々にドクターズプライムの医師のシフトを増やしていただいている病院さんも多いですね。

渡邉:シフトを増やすにあたって、看護師さんの体制を整えたいと思っています。期待値として救急車が10台前後来ることを考えると、現状の体制では同時に来てしまった時の対応が苦しいですね。

院長:当院は夜間に検査科スタッフもいないので、看護師さんには夜間の検査もお願いしています。

渡邉:ドクターズプライムを導入している水曜日も看護師さんと助手さんで2.5人体制。夜間は放射線技師と事務が入るような状態なので、今後スタッフを増やしていきたいです。

院長:検査科がいないと輸血もできず、対応できないレギュラーもあるので、いずれ置きたいと思っています。夜間や日曜日も対応できるようなオンコールの検査体制をおきたいです。

渡邉:数年後の建て替えでベッドが増えますから、夜間の体制としてコメディカルも増員することができると考えています。

:検査体制が十分でないと医師はそれを理由に断ってしまいますよね。

渡邉:日中はコメディカルもいるので大丈夫ですが、救急に関しては検査器具も揃えていくべきだと思っています。先日ドクターズプライムの先生には、ポータブルエコーを使えるようにしたいという意見をいただきました。

:医師から現場への要望があるのも、救急車受け入れに意欲的だからですね。

渡邉:ドクターズプライムの先生と現場の方々との間に意見を交わすニーズが高まっていますね。他にも、受け入れた患者さんの入院後の経過が知りたいという意見があったと看護師から伺っています。

:当直する医師からすると担当した患者さんがどうなったかはすごく気になりますよね。患者さんの経過が分かると、勤務のフィードバックになって医師のスキルが上がっていくこともあると思います。

渡邉:先生たちのやりがいが金銭的なインセンティブだけじゃないほうがいいですよね。

:おっしゃる通りです。アルバイト先の病院を選ぶときに、自分の伸ばしたいスキルを伸ばせる病院を選択する、という流れも今後起こせたらなと思っています。

渡邉:継続して勤務いただいてる先生方とは一度飲みに行こうと院長とお話しています。

:常勤・非常勤の先生方のコミュニケーションが活発だと、連携がスムーズになってい良いと思います。今回の取材で、院長先生はお話しやすい雰囲気の方だなと感じました。当直する医師が相談するのに委縮してしまうこともありませんよね。また、他の病院さんでも非常勤で採用していた医師と継続的にコミュニケーションをとって、常勤採用に至ったケースもあります。他社ではアルバイト医師の常勤採用をNGにしてるいるところも多いですが、弊社は現行の契約上は問題ありません。

渡邉:外来や入院、オペもある常勤の先生方に日中の救急ニーズすべてをお願いするのは厳しいので、救急の先生方が1、2名程いてくださるとすごく安心できます。

:日中のアルバイトだと常勤先にシフト制で勤務している救急医か、大学院に通っていて日中に空いている日がある医師がいいですね。救急医や大学院生が日中のファーストタッチを行い、各科の先生に振り分ける体制をとっている病院もあります。

院長:救急専属の医師に日中のファーストタッチを任せられるのはすごく良いですね。

:今後、働き方改革によって当直をした常勤の先生がその後のシフトを休むことが多くなっていくので、日中の非常勤医のニーズが高まります。一方で日中働きたい先生方も増えて、人材の流動性が強まるのではないでしょうか。

:導入時の懸念点や導入の決め手はありましたか。

渡邉:院内でできる事は手を尽くしてきた上での受け入れ課題だったので、まずは導入してみようと思っていました。当時は懸念点を考えている余裕がありませんでした。

:素早い意思決定ですね。

渡邉:契約が1年で更新なので、使ってみてだめならやめればいいとも考えていました。当院は理事長が医師でないので、院長の了解をいただければ、事務方は基本的に素早く決められることも決定が速かった理由ですね。

:弊社から営業担当がお伺いする前に、事務長から院長先生に話してくださっていましたね。

渡邉:アルバイトの先生に週1で勤務していただけると、常勤の先生方の当直の約15%をカバーできます。週2にできれば約30%です。そう考えると、週1固定で対応していただける先生がいるのはありがたいです。 

:救急車の受け入れという地域での役割も果たせますよね。

渡邉:今後はオペの予定や常勤の先生方の当直希望日も踏まえて、水曜以外のどの曜日でドクターズプライムの日を増やすか検討しています。

:弊社以外からも非常勤の先生を採用していらっしゃいますか?

渡邉:他の紹介会社さん経由で定期採用とスポット採用をしていました。ですが、勤務の詳細についてのやりとりが煩雑ですし、当直中ずっと救急端末を切ってしまわれるような先生もいたので、スポット採用は全部やめました。

:他の紹介会社さんは、医師の質担保をあまりやってらっしゃらないと聞きます。医師を紹介すればするだけ売り上げが上がりますから、とにかく多くの医師を紹介しようとしてしまうのでしょう。逆に、ドクターズプライムは月々固定料金で頂いていますので、紹介する医師の質が悪いと契約を切られてしまいます。だから紹介して終わりではなく、その後のケアまできちんとするんです。この点が病院の目線と揃うので、共に救急体制を改善していけるんですよね。

渡邉:アンケート制度があるので、勤務後に医師へフィードバックが返せるのもありがたいです。あと、看護師さん達もアンケートを送ると知っているので、忌憚ない意見をくれるようになっています。

渡邉:定期案件は2ヶ月前に募集をかけると2、3日で医師から応募が来ます。最近は応募が複数名いらっしゃるので、バランスを考えながら時間をかけて選んでいます。

:弊社の分析チームが募集の多い案件について分析したところ、勤務日の15~40日前に応募してくださるのがベストだとわかっています。ですので早めに出してもらえると応募が入りやすく安心できますね。立地、給与、忙しさによって応募率は変わりますが、貴院は案件応募率としてはほぼ100%ですよね。

渡邉:決まってくれるという安心感はありますね。導入するまでは医局秘書が調整していましたが、医師が見つからないと院長が当直しなくてはなりませんでした。今はだいたい月の中旬くらいで次月の勤務体系が決まって、穴があるところはドクターズプライムで埋める形になっています。

:早い段階でシフトが決まると運営しやすいですね。

院長:登録している医師は大学にいる先生が多いですか?

:そうとも限りません。私の出身病院の聖路加国際病院の先生がやや多いですが、二次救急病院や地域の病院で働かれている先生方もいらっしゃいます。

院長:聖路加は労働基準監督署の立ち入り調査でかなり話題になりましたよね。

:そうですね。ああいった事件があったからこそ、逆に弊社は注目をあびた側面もあります。働き方改革は避けられない潮流ですから、早く対処すればそれだけ楽になると思います。いろいろ院内で手を尽くしたうえで、まずはトライしてもらいたいです。効果がないと感じたら解約もできますから。

院長:医局に医師の派遣を頼んでも、引き揚げられてしまったら終わりですからね。

:皆さん3月4月は医局引き揚げでドキドキしながら過ごしてるという話を良く聞きます。先ほど、今後は利用を増やしたいとおっしゃっていましたが、今後は救急のニーズが増えそうですか?

院長:現在武蔵野市では自院を含め3病院しか二次救急をやっていません。病院の合併も控え、ニーズは増えていくと思います。今でも二次救急以上の患者さんをドクターズプライムの先生に受けてもらっていますが、2.5次くらいの救急機能を持ちたいと考えています。それを常勤だけでやるのはなかなか難しいと思うので、今後もお願いできたらと思います。

:そうですね。引き続きぜひともよろしくお願いいたします。   

医療機関HP:

www.kichijoujiminami-hp.jp

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  1. 東京都が整備した救急車のたらい回しをなくすための二次救急医療体制上のルール。参考:東京都福祉保健局「救急医療の東京ルール」より